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お題を使って綴ります
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現行沖田×初期沖田。 要は痴話喧嘩。 (自分設定) お互い土沖前提、不倫風味。CPというか双子みたいな同一人物みたいな。 ふたりはお互いの自室に行く気になれば簡単に行けます。障子など扉を通じて。なんか気合で。そのことは第三者は知りません。 「髪、伸ばさない?」 入ってくるなり女が言った。 ぼんやりいじっていたケータイを持ったまま仰ぎ見ると、また髪を伸ばさないかと問われた。 俺とおんなじ色した髪をサイドポニーにできるほど伸ばしている女の空色の瞳は、本気っぽかった。電源ボタンを押して待受画面にし、ぱちんと閉じる。 「何で」 とりあえず理由を聞いてみる。女はずかずか俺に近づき、目の前で少し乱暴に座った。正座なのは多分、向こうで相当お行儀について言われてる証。俺はよいしょと寝転がっていた姿勢からあぐらになる。業務も終了し夕飯前の、ちょっとした平穏な時刻。 女は聞く気になった俺の様子にヨシと頷き、「あたしと交換するためよ」と放った。はあと俺は数回首を振ってみたりする。 「交換」 「そう。だから髪伸ばして」 あたしは切るから。と鋏を片手に言い切ってしまうから女という生き物は困る。感情私情で動きすぎだと思う、それで男が納得するかといったら大間違いだ。この際だからよくいっておこうか。 「理由は?」 「理由?」 「交換の」 「ああ」 頷いて砂色が揺れる。ここまで伸ばすのにどのくらいかかったのだろう。男と女じゃ伸びる速さも違うというから、想像は難かった。 「あんな男と顔合わせたくないからよ」 ツン、と顎を伸ばして、思い出して嫌な記憶に当たったか、渋い表情を作る。 ふーんと俺は伸ばせと言われている髪に指を突っ込む。襟足を掻いて、ぼてん、と手を落とす。 「つまり、俺のあの人を愛する自信があると?」 俺の、を強調して質問すると、女は渋い顔をもっと渋くさせた。数秒して、畳に放ってあった俺のケータイに手を伸ばす。咎められないをいいことに、女は蓋を開けて待受画面と対面。もっと渋い顔になった。 「……ないわ」 「だろうねィ」 俺とこの女は根底は同じだが、どうやら男の趣味は一致しないらしい。四日前に怒鳴りつけられた瞬間に正面から撮った写真をその目に映し、首を振った女からケータイを取り返す。俺の大事な大事な、いつかのための遺影候補その百十四。 「大体さァ、俺が承諾したところで、いつまで髪伸びるの待つわけ? 声とか胸とか下とかは?」 「……意地悪」 むう、と唇を尖らせる。持参した鋏をいじくって、あッ枝毛、とその場で自らの髪一本を数センチ切った。そして悪びれなくぱっぱっと膝を払う。何してくれるこのアマ。 「あの人が悪いのよ」 「へーへー」 「今日は男同士で呑むからお前は来ンなって言うから」 外見は万事屋の旦那に似ているらしい、あの人と同じ名を名乗る男を想像して、まあしょうがねェんじゃねーのと返す。あんたも同じこと言うのね、と睨まれて、既に誰かに似たセリフで慰められたらしいことを知る。そいつも可哀想にと思う。こんな身勝手な女に振り回されて。 「だいたい男同士って何なのよ。あたしがいちゃいけない理由として最低な理由だわ」 ぺらぺらと愚痴を喋り続ける女に付き合う俺の耳に、どん、どん。と廊下から乱暴な足音が届く。育ちのよくない、偉そうな足音。それは女の耳にも響いたらしく、チッと行儀の悪い舌打ちをした。 「……帰る」 「お達者で」 その言葉が気に入らなかったのか俺の態度が気に入らなかったのかはたまた、全て気に入らなかったのか。 女は剣呑な色に目を光らせ、片手で俺の肩を押し倒した。もう片手には鋏を順手に持って。 ざく。と耳のすぐ横で音がした。 俺の唇を塞いだ唇は荒れてなくて、ちゃんと手入れしてるんだなァ偉い偉いと、八つ当たりの舌も受け入れて俺も伸ばして吸ってやった。 被さっていた女の髪が俺から離れていく。畳に突き刺さった鋏もちゃんと回収して、じゃあねと女は踵を返した。 砂色が消えた障子が閉じた瞬間にその障子が開き、黒髪が覗く。倒れたまんまの俺に何してんだお前と問うてくるから、酔っ払いの練習と返してみた。バカかと冷たく返され、続けて飯だと一言、障子も開けっ放しに言い置かれる。 唇を拭って、起き上がる。ケータイを机に置きながら想像する酒の味。 自分同士と呑む酒は、おいしいのかしら。 Title:>select>box PR | カレンダー
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