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お題を使って綴ります
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初期沖田と土方。 「鬼」の副長。 目が点になるというのは、こういうことをいうのだろう。 「……?」 ごし。擦ってみる。風景は変わらない。 ごしごし。両目を擦ってみる。ガン見しても変わらなかった。 「あのぉ、……土方さん?」 「オーケーオーケー、お前の言いたいことはわかる」 「はあ」 なら話は早い。どんといけあたし。さあ聞いてしまえ。 一呼吸おいて、言葉を選ぶ。 「……しっぽとかもあるんですか?」 「何でだよ、お前の中の鬼ってしっぽあンのか!」 獣じゃあるまいし、という土方さんのあたま。 銀髪の中からちょこりちょこりと、二本の角が覗いていた。長さは人差し指ほど、色は金。文明の発達した江戸の電灯に照らされる、人間の持ち物じゃないモノ。天人には生えている者もいるが、目の前の上司には生えていなかったと記憶している。 「……鬼?」 「ああ」 「天人じゃなく?」 「妖怪のほう」 「……へえ」 おもしろがっていいのかわからないけど、単純に物珍しくてあたしはうきうきした。永倉あたりが見たら持ち前のツッコミを存分に発揮するところかもしれないけど、生憎あたしはボケの数値のほうが高かったりする。 持っていた書類はとりあえずその辺に放っておいて、何でもなさそうにしているがバツの悪そうな顔をした、あぐらをかいている土方さんの正面にそっと座る。視線は角に吸い寄せられたままだ。 「触ってもいいですか」 「……怖がらねェの」 「この江戸でですか?」 天人だろうが妖怪だろうが大した差はない気がする。二本足で歩く犬とか河童とか普通にいるのだ。異形に対する恐怖心など、あたしからしてみたら今更の感情だ。 「誰か知っている人は?」 「……近藤さんは知ってる」 お前は二人目。 土方さんが溜息と共に零した。 期限ギリギリの提出書類。あたしは届けに来ただけだが、土方さんにとってそれは誤算だったに違いない。夜、寝静まった時間帯の突然の自室への訪問者。悪いことをしたなと今更ながら少し思った。 双眸の色は常と同じ墨色。肌の色も変わっていないし、爪だって伸びていない。見える範囲では牙も覗いていない。 だからこそ、目の前の二本の角だけが異色に映った。 「触っても、いいですか」 返答はない。それが何よりの返答で、あたしはそっと手を伸ばす。 ふわりとした髪の感触、それに潜む硬い手触り。 こつん。 震えたのは角か、指か。 先端からなぞり下りた生え際は、爪のそれと似ていた。 coaxial:『お前は無力だと神が嗤った』 Title:>stock>01 BGM:KOKIA『Follow the Nightingale』 PR | カレンダー
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