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お題を使って綴ります
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蝉時雨に溶け込んだ会話

初期永倉と沖田。『花を待とう』、『ゆるゆると絡まり合う視線』と同軸。
実は去年から放置されていたお題。夏の気分でどうぞ。

 今日もお仕事頑張りました。
 夕方、涼しくなってきた時間帯を狙って花に水をやる後ろ姿に、おれは手伝うべきかこのまま眺めているべきか悩む。
 楽しんでるし、動くの面倒だし。後者を選んだおれは見ているだけなのもなんだから世間話をふらふら考える。

「沖田さんって、花、好きですよね」
「うーんまあ、そうね」

 嫌いじゃないね。改めて聞くと茶を濁す。 嫌いですねといえば好きだと答える、天邪鬼な性格をわかっているから、それ以上あげ足取りはしない。
 今日も元気に咲いていた朝の花、明日は何色が咲くだろう。たまによく土を乾かされているけど、それでもしぶとく成長している。大した生命力だと思う。

「あんたは?」

 びしゃんと如雨露から水を垂らして振り向いた、沖田さんの顔は逆光で見え辛い。

「おれ、ですか?」
「そう」
「えーっと……」

 言われて思いつく花のいくつかといったら、どうだろう。共通点がわかりやすくて逆に笑えた。

「……あなたの」

 好き嫌いの基準は人によって違うだろう。
 色や形、意味や名前、直接的な思い出、間接的な思い出。

「あなたの好きな花が、好きです」

 ではこれは、どの部類に入るだろう。
 まるで告白のようなそれに、沖田さんはいつもの表情を少し緩めてそうと返した。

 じーわじーわ、蝉が鳴く。
 今年の夏も、終わっていく。




Title:>set>5>夏>(真夏)
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加島恵梨(カシマメグリ)
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