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お題を使って綴ります
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初期土沖。 夜の後悔。暗め? 「あたしって、女なんですね」 眼窩のすぐ下が痙攣した。 困った顔しないで下さいと、覗き込まれる。 俺はそんなに動揺しているのか。もしくは怒っているのか。 表情と言葉を見つけられない俺の、左手が闇の中で掬われる。指と指を組まれ、唇が触れるよりもっと繋がった気がした。 恋人と遊び人、違いは手を繋ぐかどうかだと、いつかの女が言っていた。 成程、言い得て妙だと感心したが、俺にそれを実感する日が来るとは思っていなかった。 握り返していいのかわからない俺は、男失格かもしれない。 「不満か?」 「いいえ」 ゆっくりかぶりを振って、掌を下へずらしていく。爪の先が俺の水掻きを引っ掻き、成されるがまま甲を差し出した。 口付けられるのかと思ったが違った。引き寄せられた左手に、柔らかな頬が載せられる。頬の質感だけでも男か女か、わかるものだと思う。 細い吐息が青い影に重なる。 月明かりしかないふたりきりの空間。 こいつを女扱いすることに初めて躊躇いを覚えた。隊長に任命するときよりも、ひどく取り返しのつかない、人間として根本的な否定に似ている。 女が手を離し、髪をかき上げた。 日の下で砂色をした髪は、夜では色素が薄いことしか目視できない。それでも何色か知っている俺は幸せ者な気がした。あるいは不幸者代表。 俺が愛した、愛していると自覚した目の前の女が、唇を震わせた。 その言葉を俺は、理解できるのか。していいものなのか。 何を言われるのか怖くなる。だというのに、想像上のどこかの女神よりずっと美しい曲線に、罪深く見惚れた。 俺はもしかするととんでもない過ちを、犯してしまったんじゃないだろうか。 Title:>select>short BGM:愛内里菜『TRIP』 PR | カレンダー
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