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お題を使って綴ります
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初期土方、沖田、永倉。不良度アップ。 やってみないことをやってみよう精神。うち設定を覆して遊んでみました。三人称は難しい。 「あれ、切れてる。土方ァ、一本」 「知らねーよ」 カラとなっていた箱を片手で握り潰し、溢れそうなダッシュボードに押し込める。内ポケットから出させた土方のものを受け取り、底を叩いて一本取り出した。ありがとうと言ってさっさと返す、ジッポを操って火を生もうとした横顔が軽く歪んだ。 「点かないわ。土方ァ、火」 「知らねーよ」 今度は言葉通り応対しない土方の顔を両手で掴み、ぐりんと向かせて顔を近づける。ちりちり小さく燃える先に、沖田は自ら咥えた先を押し付けた。超至近距離だがドキドキとかバクバクとかそんな感情を流すことなく、ふたりは自分の世界を見つめ続ける。土方は眼鏡越しに地図を、沖田は煙草の先を。恋人以上なのかそれとも対象外なのか。あっさりし過ぎて判断に困る空気は点火と共に離れ分散した。 重。一煙燻らせて沖田が呟き、お前も若いねと土方が笑った。 「沖田隊長」 「何」 「煙草は体に悪いと思います」 後ろの席から永倉が顔を顰めた。 今しがた若いと嘯かれた沖田が若い隊長を見遣って、ふっと笑い同時に煙を吐き出した。助手席から後部座席へ、紫煙が揺らめき移動する。 「子ども産む予定もないし、別に問題ないと思うがね、私は」 「予定の前に気もないだろ」 「ご尤も」 やわく部下の発言に訂正を入れ、しかし眼鏡の奥の黒は知らぬ土地の道を辿り続ける。 沖田のナビでちょっとそこまでの近藤を迎えに行っていたのにこの様だ。地図を読めない典型的な女であることを証明した沖田はもう、これからの進路を考える気など持っていなかった。しかし助手席を譲る気もさらさらないらしい、おかげで永倉は迷子脱出ルートを土方と一緒に思案することが出来ない。 「いつ死ぬか凡人より一層わからない身なんだ、嗜みが人より多くても誰も文句は言わんでしょうよ」 「オレは受動喫煙が嫌なんですが」 それと仮にもおまわりさんが年齢に達してないのに喫煙するのもどうかと。心底嫌そうな顔をする永倉に沖田がくつくつ笑う。 「教育の賜物ですね、土方さん」 「俺ァ育ててねェ」 「私でもありませんよ」 とん。窓から灰を僅かに落としてまた口へ戻る毒の草。 喫煙者に受動喫煙を説くのは難しく、永倉は後ろの窓を開けて運転席を覗き込んだ。 「どこだがわかりましたか」 「あーダメだ、地図が読めん。年かな」 首を振りながら土方は眼鏡を外し、目頭と目頭を指でぐいぐい押して刺激した。 役に立たない上司から地図を奪おうとすると、がちゃりと音がしてびゅお。強風が抜けた。 「んー休憩休憩」 「あー賛成賛成」 「あんたら、ねェ……」 局長迎えに行く気ないでしょう。 マイペースに外の空気で深呼吸する副長と一番隊隊長にほとほと呆れながら永倉も外に出る。 少々べたつくが、風が新鮮で気持ちよかった。煙い車内にいたから、尚更。 すと。 身軽に塀へ登った沖田の長い髪が潮風に躍る。 すぐ下方に見える浜と同じ色の髪と同じように、白い煙も風に流されていく。ポイ捨てでもしやがったらそこから押してやろうと永倉は思ったが、それはなかった。 代わりといってはなんだが、塀に寄りかかって地面に落としブーツで踏みつける、また新しく火をつけた土方をねめつける。効果はなさそうで永倉は苦々しく嘆息した。 沖田は世界を仰いで上機嫌に笑う。 「今日は良い天気だ」 Title:>select>visor BGM:Tommy heavenly6『Heavy Starry Heavenly』 PR | カレンダー
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