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ゆるゆると絡まり合う視線

初期永倉と沖田。
花を待とう』の続編。『嗚呼、麗しの愚者よ!』とも同軸。

「咲いた!」

 朝も早から何ですか。
 勢いよく放たれた障子の向こう、今日は何が起こったかと眠い目をこすって布団から顔を出す。

「ほらみて咲いたの!」
「……ああ、本当だ。可愛いですね」 

 数日前に花屋で一目惚れしたとかで買ってきたひとつの鉢植え。
 赤紫が一輪、青が三輪、その名の通り朝の顔を咲かせていた。

「そうだ記念に」

 ごそごそポケットを探って取り出したケータイ。
 四輪の朝顔が海色に取り込まれていく。

「そんなに嬉しいですか?」
「ん?」
「咲いて」 

 おれの部屋に来ているというのに主の存在を忘れての記念撮影。なかなかうまくいかないらしくあっちこっち捻っては唸っているから、起床時刻にはまだ余裕のある時間に叩き起こされた恨みも含めつつ訊いてみた。

「まァ、ね。それに日本人なら朝顔を愛でるのは自然じゃない?」

 本当に日本人だからという理由だけですか。さすがに飲み込んだ疑惑は多分、相変わらずツンデレらしいケータイと格闘中の沖田さんには届いていないだろう。
 ケータイに夢中になっている女上司の背中を見てやれやれと息をつく。
 今日も暑くなりそうだ。顔洗って来ようと立ち上がり、行ってますよと擦れ違った先、四輪の花々を見やったらくすりと、眩しい青空をバックに笑われた。




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